今月の枝もの〈1月第4週お届け〉
- 1月25日
- 読了時間: 4分
更新日:1月25日
おはようございます。
冬の森は、にぎやかな成長をやめて、生きることだけに集中する時間に入っています。
外から見ると静かですが、内側では確かな変化をしながら来たる暖かい季節へ向けて植物は静かに賢く過ごしている。
枝先や葉の色に目を凝らすと、森はもう次の季節へ向かう準備を始めていることに気づかされます。
本日ご紹介する枝ものたちも、それぞれが異なる時間軸と役割を背負いながら、静かな存在感を放っています。
それでは、1月4週目-睦月便-の『今月の枝もの』紹介していきます。

1.椿(つばき)〈赤(八重MIX)〉
産地:東京都/こもれび苑さん
属性:ツバキ科
冬から春にかけて咲く椿は、常緑樹の森を支える代表的な存在。
厚みのある葉は一年を通して光を受け止め、林床の環境を安定させます。
赤い花は控えめながらも芯の強さを感じさせ、空間が自然と引き締まり、凛としつつも落ち着いた空気に包まれます。
今回の定期便で入れた椿も、蕾は固く乾燥する時期ですので咲かない可能性があり、葉ものとしてお届けしております。
2.石化柳(せっかやなぎ)
産地:茨城県/飯村 光雄さん
属性:ヤナギ科
突然変異によって枝が帯状にねじれるように成長する柳。
木肌の色は時期により異なり、晩秋から冬は褐色です。
川辺に多いヤナギ類は、水辺の土壌を守る役割を担いますが、石化柳はその性質に造形的な面白さが加わった存在です。
動きのある芸術的なラインの枝姿は、眺めているうちに思考がほどけ、視線が自然と遊び始めます。
3.ピスタチアリーブス
産地:香川県/F.U.Kagawaさん
属性:ウルシ科
地中海沿岸原産の樹木で、乾いた風と強い日差しの中で育つ葉は、しなやかさと耐久性を併せ持ちます。今回のピスタチアは国産、香川県産のピスタキアリーフ。
森では中低木として光の層をつなぐ存在。
葉は固く乾燥したような質感で、冬場はほんのり紅葉が美しいです。
落ち着いたグリーンが空間をなだらかにまとめ、気持ちの波を静めてくれます。
4.ビバーナム〈ティナス〉
産地:愛媛県/周桑農協
属性:スイカズラ科
冬に実をつける常緑のガマズミ類。別名、トキワガマズミ。
鳥たちの貴重な食料となり、森の生態系を支えています。
季節ごとに姿を変え年間通して出回ります。冬のガマズミは、赤茶色のたっぷりついた蕾が実もののようにも見え、落ち着いた色味はシックで空間に静かな奥行きが生まれます。
5.ピンクネコヤナギ
産地:群馬県/小野里 茂さん(JA全農ぐんま)
属性:ヤナギ科
早春に芽吹く花穂は、冬の終わりを知らせるサイン。
柔らかな産毛に覆われた姿は、寒さの中で芽を守るための知恵です。
淡いピンク色は視覚的にも優しく、猫の尾に似て柳の仲間であることが和名の由来です。
モコモコとした柔らかな見た目は、飾ると張り詰めた空気がふっと緩み心がほぐれるような時間をつくってくれます。
6.青もじ
産地:鹿児島県/椎木 秀幸さん
属性:ゼンマイ科
山林の湿った環境に生育するシダ植物で、若芽を巻いた姿が特徴的。
森では土壌の乾燥を防ぎ、微生物のすみかにもなります。
切り枝としては、素朴で原始的なフォルムが印象的で、春先の芽吹きを連想させるような自然の時間の流れを思い出させてくれる存在です。
7.グレビレア〈アイバンホー〉
産地:南アフリカ/Gパックス
属性:ヤマモガシ科
オーストラリア原産の植物で、乾燥した土地でも生き抜くために独特な葉と花を進化させてきました。
ワイルドな質感は、自然界での厳しい環境への適応の証。
葉の裏は白く、ギザギザとした葉も他の枝ものとの比較で良いアクセントとなります。
森という概念を少し外へ広げ、異国の大地の気配を感じさせてくれます。
8.スチールグラス
産地:大谷商会 属性:イネ科
細く直立する葉姿が特徴のグラス類。
群生することで風を受け止め、地表の乾燥や浸食を防ぐ役割を担います。
線の美しさが際立ち、光や空気の流れを視覚的に感じさせてくれる素材です。
今回はアーチにしてお届けしていますが、線を活かしたい場合にはアーチにした上の部分を輪ゴムから外してあげると直立させてお愉しみいただけます。
9.ダイアンサス〈キウイメロウ〉
産地:株)クラシック
属性:ナデシコ科
芝生が丸まったようなコロンとしたグリーンが可愛らしい草花です。
別名、(品目)テマリソウ。
細かな花弁と淡い色合いが他の枝の強さを和らげ、全体の印象を穏やかに整えてくれます。
視線を近づけると、足元に生える芝のようで自然と呼吸が深くなるような繊細さがあります。
それぞれ異なる役割と背景をもつ枝ものたち。
けれど同じように、私たちの暮らしの中では心を整える静かなきっかけになってくれます。
今回は芽吹きの要素を少しだけ入れ、寒さの中で静かに春へ向け準備する森のイメージでお届けいたしました。
眺めるうちに肩の力が抜け、思考が少し緩やかになる。
そんな森の余韻を、今日の空間にそっと迎え入れてみてください。




コメント